呪われた町

スティーブン・キング


意外と普通だったというのが感想。
ヒロインがあっさり吸血鬼に、警察官、神父の無力感、ラストの悲壮感と任務的な仕事はそこそこ面白かったが、それ以外普通の吸血鬼。

吸血鬼と対面する前に、犠牲者からあっさりと吸血鬼の仕業だとばれる。しかし、現代においてそれを信じることは難しい。科学vsオカルト(宗教)となるわけだが、ホラーものとしてはオカルトを信じるのがストーリー上のお約束。それはどうなんだ?とも思う。まぁ、科学も将来的には覆る場合があり必ずしも正しいってわけではないが。そういう意味では科学も信じる対象ということになるが、それを言うと世界すべてのものが対象になってしまうしなぁ。
パンズ・ラビリンスあたりがこの問題の表現がうまいと思う。

小野不由美屍鬼を先に読んでおり、吸血鬼がなぜ十字架に弱いのかといった根源的な問いが呪われた町にも書いてあるかと期待したが、書いていなかった。残念。結局、悪がキリスト教に弱いのは当然ということなのだろう。